これはアメリカ軍とは関係ないのでしょう。
佐久間◆これが大ありなんです。米軍がきて、まず困ったのがベッド。
マットレスを買っていただいて、これをベッドに仕立てる。当時はそういうのを配達するにしても、すべて自転車でした。
綿を9本自転車に積んでガス山を登ったものです。
嶋田◆当時は配達するのが当たり前という部分もありました。
先ほど商店街を歩いていたら「配達始めました」という張り紙を見ました。
戦後の寝具は何が大きく変わったのでしょうか。
佐久間◆今日ご参加いただいた方の中には、立派な婚礼布団を買ってくださった方もいます。
婚礼が変わりました。丸井さんができて、丸井方式の布団が売れて、一般専門店の布団が売れなくなってきたのです。
いわゆる合繊綿というのが登場します。ナイロン綿とか、テトロン綿とかですね、綿と変わらないものを作り上げていました。
やがて、それも変わっていきます。羊毛綿です。それから羽毛布団に変わっていく。
空の石油タンカーで中国から北京ダックの羽根を乗せて日本に来ているのですよ。これは、羽根布団の材料にしています。
羽根をむしられた水鳥は、裸のまま50メートルくらい先の湖まで飛んでいきます。
そして10分から20分もすれば、新しい羽が生えてきます。
それを2、3回繰り返す訳ですから、身体にはほとんど栄養が回りません。
これをちょっと、ご覧ください。
1枚180万円の布団に湯買われている羽毛です。これは北欧に棲むアイダーという鳥のものです。
この羽根は鳥からむしり取るのではなく、巣の中で卵を温めるために敷いてある羽根を、鳥が巣立ったあと人間がいただいてくるのです。
小さな巣ですので、布団1枚作るのに1300個も必要なのです。
ですから180万円というお値段に納得いただけたでしょうか。
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