高度成長時代は出版物を出せばどんどん売れました。大きな百科辞典も大型から、7巻ぐらいの中型や家庭百科まで、かなり購入されていた時代でした。
美術全集とか、クラシックレコードと解説書をセットにしたものとか、これは一人の作曲家でも何種類か出版されてくるのですが、こういうものを毎月、定期的に購入する読者も大勢いた時代でもありました。
それから、雑誌ですね。
「週刊少年サンデー」、「週刊少年マガジン」というのが昭和30年代に創刊された。
私らが子どものころは雑誌といえば月1回の発行でした。それを待ち焦がれて本屋さんに買いに行ったものですが、この頃から毎週楽しみが増えたわけです。
出版件数もどんどん増えてきました。
またテレビが普及してくると、テレビガイドなんかが売れ出した。情報誌なんかも同じです。そういう時代を経て、転換期が来ました。
今から30年以上前ですかね、それまでは電車に乗っていると本を読んでいる若者が大勢いたのですが、あの頃からウォークマンを聞く若者が増えてきました。
それでも耳は音楽を聞いているのですが、目は本を読んでいました。
最近は携帯電話が普及し、目も耳もそちらに向っていますから本なんか読まない。
昔は電車の中で読んだ雑誌なんかを網棚に置いていく人が多く、それを集めて駅の外で安く売るという商売があったのですが、今じゃあ、そういうことが成り立たなくなってしまいました。
それから大きく変わったのは地図ですね。
最近はカーナビなんかもオプションではなく、最初から付いていたりしますし、インターネットでも無料で閲覧できるわけです。
そんなわけで地図を出版していた大手が、去年、一昨年で2軒倒産してしまいました。いま残っている地図の出版社でも地図だけではやっていけませんので、それに付随する観光ガイドなどを出しています。
それから大きく変わってきたのは参考書です。
今は塾自体がパソコンなどを使って自前で作ってしまいますから、だんだん減ってきています。少子化ということもあって、ここ2,3年で大手の参考書出版社が倒産しています。
また最近は電子書籍なんかも出てきて、本屋さん自体も減ってきています。
それから本の寿命ですが、昔は3ヶ月くらいあったのが、今じゃあ、早いのになると10日とか。次の話題作が出るとすぐに変わってしまいます。それだけ転換サイクルが早くなっています。
だから100万部を超えるようなベストセラーは年に1,2作程度しか出ません。
当店としては、入口近くにこうして「横浜関係のコーナー」を作って、少しでも横浜に関心を持ってもらうことに力を入れています。『横濱』というのが年4回出ています。
これは横浜の坂道を扱ったものですが、前に本牧特集がありました。その時はものすごく売れましたが、今はもう在庫がありません。
ただタイトルが「伝説の町・本牧」だったのがいけません。伝説じゃあ困りますよね、これからも発展していかなきゃいけないのに。
本の表紙というのは顔です。出版社が力を入れている部分なんですね。
今はインターネットで簡単に本が買える時代になりましたが、こうして本屋さんに足を運んで、実際に本の表紙を見て、中をパラパラと見て、本を買ってほしいと思います。
ともえ書店は・・・こちらから
http://www.honmoku-street.com/kameiten/bookport-tomoeshoten
posted by よんなん
0 件のコメント:
コメントを投稿