本牧ナポリタン試食のあとは、中区歴史保存会の大谷卓雄さんによる「町の記憶
~写真とお話で振り返るチョット前の本牧~」と題した講演が行われた。
まず最初に映し出されたのは、この日会場となった上台集会所の位置にかつてあった市場の写真。
当時は本牧公設市場という名称で、関東大震災前の大正7年12月にオープンした。
『横浜近代史総合年表』(有隣堂/松信太助編/石井光太郎・東海林静雄監修)によれば、本牧町字上台に市設上台小売市場が設置されたのは大正15年6月。
そこから考えると、本牧公設市場は震災で倒壊し、その後、上台小売市場として再出発したのであろうか。
いまのような住宅を含む複合的な建物になったのは昭和47年である。その2年後、ビルの2階に上台集会所が設置された。
何年か前、市設小売市場が廃止されたとき、上台市場は「グルッペ本牧」として生き残ってきたのだが、昨年それも閉店し、現在、跡地にはスーパーマーケット「上州屋」が入居している。
さて、そんな市場の歴史話のあとは、この地域に関係する有名なものが2つ紹介された。
一つは外国人墓地の向か側にある山手資料館。横浜に唯一現存する明治時代の木造洋館だ。
この素敵な洋館は2度の移築を経て現在地に建っているのだが、最初に建造されたのは、この上台集会所があるすぐ隣の場所だったのである。
詳しくはこちらの記事をご覧いただきたい。
http://sns.hamatch.jp/blog/blog.php?key=21439
もう一つは尾崎士郎の『人生劇場』に登場する飛車角というヤクザ。彼は実在の人物で本牧に住んでいた。
私はその箇所を読んだ記憶がないのだが、大谷さんの話では「飛車角が千代崎町の暗がりから飛び出してきた…云々」と書いてあるそうだ。
千代崎町で生まれ育った神奈川近代文学館館長・紀田順一郎氏はホームページでこんなことを書いている。
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尾崎士郎の『人生劇場』に登場する飛車角というヤクザも、新潟出身の実在の人物で、一時本牧に住んでいたことがある。
行きつけのパン屋の老主人がこの飛車角の知り合いで、私が学生時代まで、夏になるとクリカラ紋(入れ墨)の上半身を見せびらかしながら夕涼みをしていたのを思い出す。
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大谷さんのお話は時間の都合で15分間と短かったのが残念。
でも、また次回がある。それまで楽しみを取っておこう。
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