2009年8月31日月曜日

こだわり素材のおばんさい&日用生活雑貨『ちむぐくる』@本郷町(その2)



恵比寿の生ビールで喉を潤しながら、日替わり定食が出来上がるのを待ちます。

 カウンターの端に見える蚊帳のような、テントのようなものをご存知でしょうか。
 昭和30年代には、どの家庭にも1個、2個はあったと思います。ちゃぶ台に置いた料理に群がってくるハエを寄せ付けないための道具で、ハエよけ食卓カバーというものです。



 ここでは大皿に盛られた料理の上からかぶせていますが、最近は蚊帳に代わって人間をかぶせる大型の「蚊よけカバー」なんていうのもできています。


 
 お待ちかねの日替わり定食。
 惣菜5品に玄米ご飯と味噌汁です。料理は手前からオカヒジキ、大根とイカの煮物、カボチャとレタスのサラダ、焼き魚、キンピラ。
 
 お値段は1,000円と、ちょっと高めですが、「有機栽培、低農薬、添加物なし」というこだわりの素材を使ったオカズはどれも美味しく、煮干で出汁をとった味噌汁も優しい味わい。
  
 

 お店の片隅では、こだわりの自然派シャンプーや石鹸も販売しています。
 左に置いてある緑色の物体は、太陽油脂製のパックスナチュロンという石鹸シャンプー。

 漫画家の東海林さだお氏がこれを使って黒髪を維持していることを、氏がエッセーの中で明かしているのでご存知の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
 それに刺激されて私も使っています。
 もちろん毛髪の後退はありません。


(とりあえず昼の部はおしまい)

第4南部地区盆踊り@大鳥小学校



8月29日(土)、30日(日)と2日間にわたって盆踊りが行われた。
 日が暮れてくると会場の照明や提灯以外には明かりがほとんどなくなり、本牧山頂公園の稜線が暗闇に浮かんできた。
 こんな光景を見ていると、ここが横浜の都心部であることを忘れてしまうほど。

 盆踊り歌には「炭坑節」や「東京音頭」のほかに、「中区みなと音頭」がかかっていた。
 これは区制60周年を記念して、昭和62年に中区役所が製作したもの。
 石本美由紀作詞、猪俣公章作曲、島倉千代子歌という豪華版だ。



だわり素材のおばんさい&日用生活雑貨『ちむぐくる』@本郷町(その1)



 本牧通りを斜めに横切る旧千代崎川の蓋がけ道路(暗渠)。近くに最中で有名な和菓子店「喜月堂」があることから、この道路については多くの方がご存知だと思います。
 しかし、その「喜月堂」から本牧方面へ向かってすぐ、小菅医院の角を曲がる名もない小さな路地、これは中区本郷町に詳しい方でも、滅多に通ったことがないのではないでしょうか。



 路地は本牧通りに繋がっているとはいえ、交差点に横断歩道があるわけでもなく、通行人はほとんどありません。
 そんな忘れ去られたような路地に、素敵なお店を発見しました。

 自然派食堂『ちむぐくる』です。

 

 「ちむぐくる」とは「肝心」。沖縄の言葉で「おもてなしの心」という意味だそうです。
 お店を切り盛りするのは若い女性。以前、西表島で働いていた時から沖縄や自然が好きになり、ここ本郷町に「ちむぐくる」をオープンしたといいます。

 メニューは沖縄料理というよりも、有機・低農薬野菜や無添加の“こだわり素材”を使用した「おばんさい」。

 

 カウンター7席程度の小さな店は、明るくナチュラルで開放的な雰囲気。そこに少し沖縄の風を感じさせながらも、店内に流れるAFN(旧FEN極東放送)が横浜らしさを演出しています。

 おばんさい5品の付く日替わり定食を注文し、それが出てくるまでの間、お姉さんとお話しながら乾いた喉をエビスの生ビールで潤します。
(つづく)

2009年8月27日木曜日

接収地跡に広がる新しい住宅街 本牧



 戦後はアメリカに接収され、米軍ハウスの建っていた本牧地区。














 ↑ 1982年頃の本牧和田。

左側に見えている日本人の住む町と比べて、超スカスカ。 右上は、のちに山頂公園になる和田山。














 
↑ 1983年頃始まった接収解除地での宅造工事。

 
















 ↑ 1998年の空撮。
 下に見えるビル群はマイカル本牧。
 本牧和田のあたりには新しい住宅が建ち並んでいる。

アメリカ文化の残り香漂う町 本牧



本郷町での集会のあと、昔日の面影を探して夜の本牧通りを歩いてみた。
 
 伝説の店「イタリアンガーデン」の流れを汲むバー「IG」。
 昼間は営業していないのだが、この日は午後9時30分くらいだったので余裕で入れるだろうと思って行ったら、なんと超満員。
 立ったままのお客さんもいるほど。

 仕方ないので撮影だけで帰宅。
 店の前に駐車しているアメ車が、いかにも本牧らしい。



以下は横浜市が発行する『横濱』の本牧特集から抜粋。

 店主の八木さんは本牧の重鎮。
 ベトナム戦争が激化する直前の1960年代初頭、米軍住宅エリアを持つ本牧はアメリカ兵向けのクラブが建ち並び兵隊が街に溢れていた。「イタリアンガーデン」、「リキシャルーム」、「べべ」などの店には、アメリカの最新の音楽や、先端のファッションが溢れていた。
 「イタリアンガーデン」は、1997年に地上げによって撤去された後、マンションが建ち、本牧通りを挟んで真正面に、「イタリアンガーデン」のポリシーを継ぐ店として「IG」ができた。
 八木さんは1970~80年代にかけて、ファッションやカフェバーなどの流行仕掛人だった。クレイジーケンバンドの横山剣がリスペクトしている本牧の3人の重鎮の中の1人(他の2人はCHIBOとムーンアイズ社長の菅沼さん)。
 本牧で生まれ育ち、4~5代くらい代わった「イタリアンガーデン」最後のオーナーで、店の名を残すために「IG」をオープンさせた。【季刊誌『横浜より』】

■お店データ
住所:中区本牧町1-106
電話:045-623-6901

本郷町朝市



8月23日(日)に開催した本郷町朝市。
 そこで買った美味しいものたち。

















肉の「たかはし」で買った焼き鳥。
 1本50円!
 10本400円!
 肉はもちろん美味しいが、タレも甘めで私好み。

















「グルッペ本牧」内の「バロン」が出していたパン類。
 調理パンは1本150円だが、2本だと250円。
 評判のカツサンドが美味しい!
















麺と和菓子の「満寿屋」提供のパスタ、うどん類。
 青海苔入り「海苔ざる」や「うどん」が美味しい。
 生パスタ、生フェトチーネも美味しい。

2009年8月26日水曜日

本郷町朝市で買った焼き鳥とオデンで朝酒!
















2009823日(日)、午前8時半から本郷町朝市が開催された。
このイベントは20036月から毎月、第3日曜日に開かれているのだが、今月は諸般の事情により第4日曜日に変更された。


















会場は「グルッペ本牧」前から「本郷町バス停」までの歩道。

本郷町商店街からは鮮魚の「魚秀」、肉の「たかはし」、八百屋の「森北」、和菓子・麺の「満寿屋」、紳士・婦人洋品の「みどりや」が、グルッペ本牧からは茶の「栗田園」、鮮魚の「秀梅」、食品の「大野屋」、青果の「黒川商店」、菓子・パンの「バロン」などが出店する。

 
 













朝市といえば食べ物。
焼き鳥やオデン、サンドイッチをはじめ、野菜や卵が格安の値段で売られていた。
この日購入したのは焼き鳥(5本250円)、おでん(多種500円)、カツサンド(250円)、生パスタ(2人前200円)、キュウリ(3本100円)。


せっかくの朝市だったのだが、歩道や空地には飲食できるスペースが作られていないため、買い込んだものを持ってキリン公園へ。

新聞紙を広げ、そこに座り込み朝酒を楽しむことができた。
予定通りならば次回は9月20日のはず。今度は何を買おうかなぁ。

なんとか再生できないか「千代崎町市場」…③



千代崎町市場に残っている最後の店「鈴屋食品」。


このシリーズの①で書いたように、昭和20年代末に開設された市場からは次々とお店が消えていき、現在はここだけとなってしまっている貴重な存在!
「鈴屋食品」は単に古いというだけではなく、長年使い込んできた道具が現役のまま活躍していることに驚かされる。
すでに紹介した“アナログ式の秤”や“五つ珠ソロバン”(その①参照)の他に、こんなものまで残っていた。

 写真中央にあるコレ、なんだか分かるかな?
コインの保管器兼カウンターである。一般的にはコインカウンターとかコインキーパーと呼ばれているもの。
1円玉から50円玉まで、ブリキ製ケースの中にそれぞれ縦に積み上げることができる。
500円玉用のケースがないということは、おそらく500円玉が流通し始めた昭和57年(1982)以前に作られた道具ということなのだろう。


古い道具が現役で使われていることに感動してしまったが、もっと驚かされたのはこの畳を敷いたベンチ。
この店には高齢者が買い物に来るので、そんな方々のために用意したという。
老人福祉施設「麦田清風荘」からの帰りがけに寄って行く人もいるとか。
皆さん、ベンチに座り込んで茶飲み話に花を咲かせる。ここは昔懐かしい食料品店というだけではなく、住民同士の情報交換の場にもなっているようだ。
高齢者の多い町ならではの嬉しい心づかいである。

2009年8月25日火曜日

なんとか再生できないか「千代崎町市場」…②

















毎月「3」のつく日が特売日だったんだね。
 
剥げ落ちたペンキが侘しさをいっそう際立たせている。

今では「鈴屋食品」だけしか残っていないが、いまでも「3」の付く日には特売をしているのだろうか。















鮮魚の「魚沼商店」跡。















野菜・果物の「神保青果店」跡。
ほかに婦人・子供洋品の「タムラヤ」、菓子とパンの「双葉屋」、製麺の「満寿屋」、肉の「兼子牛肉店」、味噌・調味料専門の店があったのだが…。


このうち「満寿屋」は「グルッペ本牧」の数軒先で営業中である。

なんとか再生できないか「千代崎町市場」…①




かつての横浜には「日用品市場」というのがあちこちにあった。
磯子区の滝頭日用品市場などは、美空ひばりが生まれ育った所として、かなり知られていたのではないか。

中区内でも弥生町や福富町に市場があったのを覚えている。
20年ほど前までは、市場とかマーケットというのが、横浜市内のあちこちにあったのだ。

どこも昭和30年代の雰囲気で、お店の方と雑談を交わしながら煮豆だのハムカツなどを買ったりしたのが懐かしく思い出される。

さて、本牧・本郷町あたりで市場といえば、長いことジモティに愛されてきた「上台市場」であろう。大正15年に市設上台小売市場として、本牧町字上台に設置された由緒ある施設だ。
昭和48年に建て替えられ、現在は「グルッペ本牧」というスーパーマーケットのような形で運営されている。

この「グルッペ本牧」のすぐ近くに、昔ながらの「千代崎町市場」がひっそりと残っている。名称は千代崎町とされているが、所在地は本郷町1丁目19番地である。

全盛期には鮮魚、パン・菓子、洋品などの小売店が7~8軒ほど入っていたが、現在営業しているのは「鈴屋食品」だけとなってしまった。
お店を切り盛りするご夫婦のお話によれば、この市場ができたのは昭和20年代末とのこと。

それからの20年ほどはかなりの盛況だったようであるが、やがて経営者の高齢化や後継者不足、あるいは対面販売を煩わしく思う若い世代の登場などにより、市場内の小売店はまるで歯が抜けるように一店、また一店と撤退していき、今ではとうとう「鈴屋食品」を残すのみとなった。

昭和48年、上台市場が建て直されて「グルッペ本牧」ができたときは、そこから大勢見学に来たことも、今となっては懐かしい思い出だという。















 
アナログ式の秤。
デジタル方式でピッタリと量るのと違い大雑把な計量なので、“嬉しいオマケ”が期待できる。
















まだ現役で活躍している5つ玉のソロバン!
建物だけでなく、商売道具もご夫婦もレトロで暖かく、なんとも昭和な雰囲気の市場である。

■お店データ
店名:鈴屋食品
住所:本郷町1-19千代崎町市場内
電話:045-621-5935

2009年8月24日月曜日

重たい思いはさせません(本牧町1丁目・岩太屋酒店)
















再び本牧町の「岩太屋」で一杯。 
角打ちのできる一角は、店の中ではなくこちら側にある。 
















カウンター横に貼ってある価格表。
 昼間から近所の高齢者たちが飲みに来ているが、 たいていの方は1~2杯で、サッと帰っていく。 
角打ちで長居は禁物だ。


 帰りがけに店頭のガラスを見たら、こんな張り紙があった。 
谷戸と尾根が折り重なる本牧町は、当然のことながら坂道や階段道路が多い。 
一人暮らし高齢者にとっては、なんとも心強い“宣言”である。

 ■お店データ 
〒231-0806 神奈川県横浜市中区本牧町1-36
 Tel:045-622-8566
 http://www.e-iwataya.jp/

本牧町1丁目・酒屋「岩太屋酒店」で角打ち




本牧1丁目、横浜信金前の「岩太屋酒店」。
地域内ではわりと大きな酒屋だ。



















その店の一角に、購入した酒をその場で呑むことのできるカウンターがある。
最近、ここで1~2杯ひっかけてから帰ることが多くなった。



















最近では珍しいコップ酒。ワンカップではなく、店のおじいさんがドボドボと注いでくれる、いわゆる量り売りだ。
 これで220円!

 酒のアテは小さなセンベイ(30円)から高級缶詰(680円)まで。
 写真の小魚は100円くらいだった。

 『量が多くて食べきれないだろうから、残ったやつはこのレジ袋に入れて持ち帰ってね』とおじいさん。
 なんとも嬉しい心遣いである。
 先に帰った客に対しても『ありがとうございました~。お気をつけて~』などと優しく声をかけている。


















 
壁に貼った注意書きも、おそらくおじいさんが書いたに違いない。

 本牧といえばアメリカ文化の香りが強調されることが多いようだが、どっこいこんな昭和レトロな雰囲気もそこここに残っているのだ。

(注)角打ちとは:酒屋で購入した酒をその場で呑むことをいう。
   飲食店としての「立ち飲み屋」とは違う。

■お店データ
231-0806
神奈川県横浜市中区本牧町1-36