2009年8月25日火曜日

なんとか再生できないか「千代崎町市場」…①




かつての横浜には「日用品市場」というのがあちこちにあった。
磯子区の滝頭日用品市場などは、美空ひばりが生まれ育った所として、かなり知られていたのではないか。

中区内でも弥生町や福富町に市場があったのを覚えている。
20年ほど前までは、市場とかマーケットというのが、横浜市内のあちこちにあったのだ。

どこも昭和30年代の雰囲気で、お店の方と雑談を交わしながら煮豆だのハムカツなどを買ったりしたのが懐かしく思い出される。

さて、本牧・本郷町あたりで市場といえば、長いことジモティに愛されてきた「上台市場」であろう。大正15年に市設上台小売市場として、本牧町字上台に設置された由緒ある施設だ。
昭和48年に建て替えられ、現在は「グルッペ本牧」というスーパーマーケットのような形で運営されている。

この「グルッペ本牧」のすぐ近くに、昔ながらの「千代崎町市場」がひっそりと残っている。名称は千代崎町とされているが、所在地は本郷町1丁目19番地である。

全盛期には鮮魚、パン・菓子、洋品などの小売店が7~8軒ほど入っていたが、現在営業しているのは「鈴屋食品」だけとなってしまった。
お店を切り盛りするご夫婦のお話によれば、この市場ができたのは昭和20年代末とのこと。

それからの20年ほどはかなりの盛況だったようであるが、やがて経営者の高齢化や後継者不足、あるいは対面販売を煩わしく思う若い世代の登場などにより、市場内の小売店はまるで歯が抜けるように一店、また一店と撤退していき、今ではとうとう「鈴屋食品」を残すのみとなった。

昭和48年、上台市場が建て直されて「グルッペ本牧」ができたときは、そこから大勢見学に来たことも、今となっては懐かしい思い出だという。















 
アナログ式の秤。
デジタル方式でピッタリと量るのと違い大雑把な計量なので、“嬉しいオマケ”が期待できる。
















まだ現役で活躍している5つ玉のソロバン!
建物だけでなく、商売道具もご夫婦もレトロで暖かく、なんとも昭和な雰囲気の市場である。

■お店データ
店名:鈴屋食品
住所:本郷町1-19千代崎町市場内
電話:045-621-5935

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