2009年8月26日水曜日

なんとか再生できないか「千代崎町市場」…③



千代崎町市場に残っている最後の店「鈴屋食品」。


このシリーズの①で書いたように、昭和20年代末に開設された市場からは次々とお店が消えていき、現在はここだけとなってしまっている貴重な存在!
「鈴屋食品」は単に古いというだけではなく、長年使い込んできた道具が現役のまま活躍していることに驚かされる。
すでに紹介した“アナログ式の秤”や“五つ珠ソロバン”(その①参照)の他に、こんなものまで残っていた。

 写真中央にあるコレ、なんだか分かるかな?
コインの保管器兼カウンターである。一般的にはコインカウンターとかコインキーパーと呼ばれているもの。
1円玉から50円玉まで、ブリキ製ケースの中にそれぞれ縦に積み上げることができる。
500円玉用のケースがないということは、おそらく500円玉が流通し始めた昭和57年(1982)以前に作られた道具ということなのだろう。


古い道具が現役で使われていることに感動してしまったが、もっと驚かされたのはこの畳を敷いたベンチ。
この店には高齢者が買い物に来るので、そんな方々のために用意したという。
老人福祉施設「麦田清風荘」からの帰りがけに寄って行く人もいるとか。
皆さん、ベンチに座り込んで茶飲み話に花を咲かせる。ここは昔懐かしい食料品店というだけではなく、住民同士の情報交換の場にもなっているようだ。
高齢者の多い町ならではの嬉しい心づかいである。

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